このページの要点
- 対象は、脱毛、にきび・しみ等の除去または皮膚の活性化、しわ・たるみの軽減、脂肪の減少、歯牙の漂白の五つ。方法まで規則91条が限定し、1か月超・5万円超で該当する(令24条、別表第四の二の項)。
- 中途解約の上限は、提供開始前なら2万円、開始後は提供済みの役務の対価に、5万円または契約残額の20%のいずれか低い額を加えた額まで(法49条2項)。
- 医療ローンは、個別クレジットなら割賦販売法35条の3の19の抗弁の接続がある。ただし支払総額が4万円に満たなければ対象外で、仕組みの記載も書面に求められる。
- 施術の適否と内容は医師の診察で決める。カウンセラーが具体的な治療方法を選択・提案・決定する運用は避け、契約の担当者の氏名を書面に書く(規則93条2項2号)。
美容医療のコースを販売するクリニックが取り交わす書面は、診療そのものの書面(診療録、治療の説明と同意)と、コース契約の書面とで、役割が違います。後者のコース契約は、脱毛・しみやしわの治療・脂肪の減少・歯の漂白のように、一定の方法で、1か月を超えて提供し、5万円を超える対価を払う契約になると、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たります。当たれば、概要書面・契約書面の交付、クーリング・オフ、中途解約の上限、関連商品の扱いが、法律で決まった形で適用されます。
このページは、一般的な情報として、条文と所管官庁の公表資料で確認できる範囲を整理したものです。美容医療は、2017年(平成29年)12月1日から七つ目の類型として指定されました。医療機関の診療の内容や、個別の施術・広告が適法かどうかの判断は、事務所が行うものではありません。
美容医療のコースで、書面が必要になる場面
- 広告・相談医療広告の規制。料金・回数の表示と、後の契約書面を揃える
- 医師の診察施術の適否と内容は医師が判断する。診療録に記載する
- 概要書面契約を結ぶ前に交付。コースの内容、概算額、解約の仕組み
- 契約書面契約の締結後、遅滞なく交付。赤枠のクーリング・オフ
- 施術・解約・精算中途解約の上限、提供済み役務の精算方法、ローンの抗弁
診察を経ない契約、契約書面のない施術、広告と書面の食い違いが、紛争の入口になりやすい順に並べています。
対象になる五つの役務と、その方法
特定商取引法施行令別表第四の二の項は、美容医療を「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、体重を減じ、又は歯牙を漂白するための医学的処置、手術及びその他の治療を行うこと」と定め、そのうち「美容を目的とするものであつて、主務省令で定める方法によるものに限る」としています。主務省令は特定商取引法施行規則91条で、次の五つの役務について、方法まで限定しています。
| 役務 | 方法 |
|---|---|
| 脱毛 | 光の照射、または針を通じて電気を流すことによる方法 |
| にきび、しみ、そばかす、ほくろ、入れ墨その他の皮膚に付着しているものの除去、または皮膚の活性化 | 光もしくは音波の照射、薬剤の使用、または機器を用いた刺激による方法 |
| 皮膚のしわまたはたるみの症状の軽減 | 薬剤の使用、または糸の挿入による方法 |
| 脂肪の減少 | 光もしくは音波の照射、薬剤の使用、または機器を用いた刺激による方法 |
| 歯牙の漂白 | 歯牙の漂白剤の塗布による方法 |
役務と方法の組み合わせが一致して初めて対象になります。目的が美容でない保険診療の治療や、この表にない方法の手術(豊胸など)は、この類型の対象ではありません。
対象かどうかは、次の四つの条件を順に確かめます。
- 目的が美容か。疾患の治療として保険診療で行うものは、この類型の対象ではありません(令別表第四二の項の「美容を目的とするもの」)。
- 役務と方法が、上の表の組み合わせに当たるか(規則91条)。
- 契約で、1か月を超える期間にわたって提供することを約しているか(法41条1項1号、令24条1項、別表第四)。都度払いで、次回の予約や追加の施術を約束していない形なら、約した提供期間が1か月を超えない整理になりやすい一方、「回数券」「6回コース」のように期間と回数をまとめて売る形は、この条件に近づきます。
- 相手方が払うことを約した金銭が5万円を超えるか(法41条1項1号、令24条2項)。
エステティック(一の項)との違いは、役務が「施術」ではなく「医学的処置、手術及びその他の治療」であること、目的が美容に限られること、方法が規則で列挙されていること、そして中途解約の上限と関連商品の範囲が別に定められていることです。
エステティックと美容医療の違い
観点
エステティック(一の項)
美容医療(二の項)
役務
皮膚の清潔・美化、体型を整える、体重を減ずるための施術
同じ目的と歯牙の漂白のための医学的処置、手術その他の治療(美容目的、規則91条の方法に限る)
期間・金額
1か月を超え、5万円を超える
1か月を超え、5万円を超える
提供開始前の解約で請求できる上限
契約の締結及び履行のために通常要する費用として2万円
同じく2万円
提供開始後の解約で請求できる上限
提供済みの役務の対価に、2万円または契約残額の10%のいずれか低い額を加えた額
提供済みの役務の対価に、5万円または契約残額の20%のいずれか低い額を加えた額
関連商品(別表第五)
人が摂取する動植物の加工品、化粧品・石けん・浴用剤、下着、電気刺激等で皮膚を美化する器具・装置
人が摂取する動植物の加工品、化粧品、歯牙の漂白に用いるマウスピース・漂白剤、美容を目的とする医薬品・医薬部外品
いずれの上限も、遅延損害金(法定利率)を加えた額までです(法49条2項)。契約残額は、対価の総額から提供済みの役務の対価を引いた額です。
概要書面・契約書面:医療機関で特に気をつける項目
概要書面は、契約を締結するまでに交付します(法42条1項、規則92条)。契約書面は、契約を締結したときに、遅滞なく交付します(法42条2項、規則93条・94条)。電磁的方法による提供も、相手方の承諾を得れば認められます(法42条4項、令26条)。書く項目は、エステティックなど他の類型と共通ですが、医療機関では、次の項目が実務で問題になりやすい箇所です。
| 項目 | 根拠 | 医療機関での注意 |
|---|---|---|
| 役務の種類、提供の形態・方法、時間数・回数その他の数量の総計 | 法42条2項1号、規則93条1項1号〜3号 | 施術の種類と、機器・薬剤の別、1回あたりの内容、コース全体の回数。「回数無制限」などの定めも、提供期間と合わせて書く |
| 施術を行う者の資格・能力等に関する特約 | 規則93条1項4号 | 「施術は医師が行う」などを約束するなら、その旨を書く。約束した内容と実際の担当者が食い違わないようにする |
| 契約の締結を担当した者の氏名 | 規則93条2項2号 | カウンセラー・受付が契約を担当するなら、その氏名。診察をした医師とは別の項目 |
| 購入する必要のある関連商品の商品名・種類・数量、販売者 | 規則92条1項1号ハ、93条2項4号・7号 | 医薬品・医薬部外品(美容目的)、化粧品、漂白剤など。コースと一緒に処方・販売するものを漏れなく書く |
| 対価の費目ごとの明細と合計 | 規則94条1項の表一 | 施術料、薬剤・機器の費用、関連商品の代金、診察料などを、費目ごとに分けて書く |
| クーリング・オフ(8日)、中途解約、提供済み役務の対価の精算方法 | 法48条・49条、規則94条1項の表二・三 | 赤枠・赤字で書く。精算の単価は、契約時の単価で計算できる形にする |
| ローンの抗弁の接続に関する事項 | 規則92条1項1号リ、93条2項5号 | 個別クレジット・包括クレジット・ローン提携販売を使うときの記載 |
| 前払取引の前受金の保全措置の有無 | 規則92条1項1号ヌ、93条2項6号 | 前払いが5万円を超えるコースで、前受金をどう管理するか |
関連商品には、特有の扱いがあります。クーリング・オフでは、関連商品も合わせて解除できます(法48条2項)。ただし、使用または消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを、利用者が使用または消費した場合は、解除の対象から外れます(同項ただし書)。事業者が利用者に使わせたり消費させたりした場合は、この例外になりません。美容医療では、別表第五の二号に掲げる商品の全部(人が摂取する動植物の加工品、化粧品、マウスピース・漂白剤、美容を目的とする医薬品・医薬部外品)が、この対象になります(令29条2項)。使用または消費したときは解除できないこととする場合、契約書面には、商品の名称その他その商品を特定できる事項と、その旨を、赤枠の中に赤字で書かなければなりません(規則94条2項・3項)。
診療の書面との関係も整理しておきます。診療録は医師が診療をしたときに遅滞なく記載し、病院・診療所に勤務する医師の診療に関するものは、管理者が5年間保存します(医師法24条)。治療の説明と同意の書面は、診療の内容についての説明を受け、理解したことの記録です(医療法1条の4第2項)。これらは、特定商取引法の契約書面の代わりにはなりません。反対に、特定商取引法の契約書面に診察の結果や治療方針まで書く必要もありません。治療の説明と同意の書面の書き方は自由診療の治療同意書・診療契約書で扱っています。
クーリング・オフと中途解約の上限、提供済み役務の精算
クーリング・オフは、契約書面を受け取った日から8日を経過するまでです(法48条1項)。通知は、書面または電磁的記録で行い、通知を発した時に効力を生じます(同条3項)。解除があったときは、損害賠償も違約金も請求できず(同条4項)、すでに施術を行っていても、その対価を請求できません(同条6項)。受け取った金銭は、速やかに返さなければなりません(同条7項)。これらに反する特約で利用者に不利なものは無効です(同条8項)。
クーリング・オフの期間を過ぎても、利用者は、将来に向かって契約を解除できます(法49条1項)。このとき請求できるのは、提供済みの役務の対価と、解除によって通常生ずる損害の額(美容医療の施術の提供開始後なら、5万円または契約残額の20%のいずれか低い額)、提供開始前なら契約の締結及び履行のために通常要する費用(2万円)までです(法49条2項、令30条・31条、別表第四の二の項)。損害賠償額の予定や違約金の定めがあっても、この上限を超えられません。
| 例1:6回コース | 例2:12回コース | |
|---|---|---|
| 契約の対価の総額(1回あたり) | 30万円(5万円) | 60万円(5万円) |
| 解約までに受けた回数 | 2回 | 2回 |
| 提供済みの役務の対価 | 5万円×2回=10万円 | 5万円×2回=10万円 |
| 契約残額 | 30万円−10万円=20万円 | 60万円−10万円=50万円 |
| 損害の上限 | 5万円と、20万円の20%(4万円)のうち低い額=4万円 | 5万円と、50万円の20%(10万円)のうち低い額=5万円 |
| 請求できる上限 | 10万円+4万円=14万円 | 10万円+5万円=15万円 |
| 全額を前払い済みの場合の返金 | 30万円−14万円=16万円 | 60万円−15万円=45万円 |
関連商品がなく、遅延損害金を考えない場合の単純な例です。金額は説明のための数値で、実際のコースを示すものではありません。提供開始前の解約では、請求できるのは2万円までです。
精算で争いになりやすいのは、「提供済みの役務の対価」の計算です。クリニックの予約のキャンセル料や、パッケージの途中解約の返金の考え方はキャンセル料・返金の考え方でも紹介しています。契約書面には、提供済みの役務の対価の精算方法を書く必要があります(規則94条1項の表三のロ)。コースの単価を割り引いて売ったのに、解約のときだけ通常料金で提供済み分を計算するような定めは、実質的に上限を超える違約金になりかねません。上限を超える額は、請求できません(法49条2項)。計算は、契約時の単価で行える形にしておきます。
医療ローン:個別クレジットと抗弁の接続
高額なコースでは、利用者が分割払いのために、信販会社との個別クレジットや、カードの分割払いを使うことが多くなります。割賦販売法は、役務の提供を受ける者が、施術所に対して生じている事由(施術が提供されない、契約が解除された、など)を理由に、信販会社への支払を拒める「抗弁の接続」を定めています。個別信用購入あっせん(個別クレジット)の場合は同法35条の3の19、包括信用購入あっせん(カード)の場合は同法30条の4、ローン提携販売の場合は同法29条の4第2項です。特定商取引法の施行規則は、この仕組みに関する事項を、概要書面・契約書面に書くことを求めています(規則92条1項1号リ、93条2項5号)。
抗弁の接続には限度があります。個別クレジットは、支払総額が政令で定める金額(4万円)に満たない場合は対象になりません(割賦販売法35条の3の19第4項、同法施行令26条)。カードの分割払いも同様に、政令の金額(4万円)が定められています(同法30条の4第4項、令21条1項)。また、利用者が自分で金融機関から借り入れる形の貸付けなど、これらの法定の仕組みに当たらないローンでは、この法定の抗弁の接続が当然には働きません。クリニックの説明では、どのローンが、どの仕組みで組まれているのかを、利用者が分かる形で伝えます。
- 個別クレジットを使う契約では、利用者が抗弁を主張するとき、信販会社から事由の内容を記載した書面の提出を求められることがあります。利用者は、提出するよう努めなければなりません(割賦販売法35条の3の19第3項)。クリニックは、利用者が書面を作る際に必要な事実(施術の提供状況、解除の日付)を整理して渡せる体制にしておきます。
- クーリング・オフや中途解約があったとき、信販会社への連絡と、利用者への返金・精算を、どの順序で行うかを、あらかじめ社内の手順として決めておきます。
- 自院で2か月以上・3回以上に分けて代金を受け取る形は、割賦販売法2条1項では「指定役務」に限られます。自院の分割払いを設ける前に、その役務が指定役務に当たるかを別に確認します。
診察と契約の順序:カウンセラーが決めてはいけないこと
美容医療の契約は、広告を見た人が、カウンセリングで説明を受け、医師の診察を経て、コースを申し込む、という流れをたどることが多くなります。厚生労働省は、令和7年8月15日付の医政局長通知「美容医療に関する取扱いについて」(医政発0815第21号)で、美容医療に関する医師法等の解釈を整理しています。契約の書面を作るときに押さえておきたいのは、次の部分です。
- 医師・看護師等の資格のない者が、「カウンセラー」と称して、患者の主訴や希望する処置を聞き取った上で、具体的な治療方法を選択して提案したり決定したりする行為は、医学的な判断を行い、これを伝達するものとして、医行為に当たるとされています。形式的には各治療の料金設定の説明という体裁を取っていても、実質的に個別の状況に応じて医学的な判断を行っていれば、医行為に当たります。無資格者が業として行えば、医師法17条に違反するとされます。
- 看護師等が、医師の指示なく診察を行ったり、具体的な治療方法を選択して提案・決定したりすることも、医師法17条や保健師助産師看護師法37条に違反する可能性があるとされています。
- メールやチャットのみで診療を行うことは、医師法20条(無診察治療の禁止)との関係で問題になるとされています。
- 診療録は、医師法24条と医師法施行規則23条が定める記載事項を満たす必要があります。
この通知は、犯罪の成否は捜査機関が収集した証拠に基づいて、最終的には裁判所が判断すると断っています。ここで大切なのは、契約書面を作る側の実務です。医療行為かどうかの線引きの一般的な整理は医療行為との線引きで紹介しています。コース契約の書面には、契約を担当した者の氏名を書きます(規則93条2項2号)が、その担当者が医学的な判断をする立場にないことが、運用の上でも分かる形にします。契約の申込みは、医師の診察で施術の適否と内容が決まった後に受ける、という順序を書面の流れとして定め、診察の結果、施術を行えない・コースの内容を変えるときの扱いも、あらかじめ決めておきます。
- 当院は、契約の締結の前に、医師が診察を行い、施術の可否・内容を判断する。契約は、医師が施術を行うことができると判断した内容に限り、締結する。
- 契約の締結後、施術を開始する前の診察により、医師が、利用者の健康状態等を理由に、施術を行うことが適当でないと判断したときは、当院は契約を解除することができる。この場合、当院は、利用者から受領した金銭の全額を返還する。ただし、解除までに提供した診察・検査について、法令の範囲で定めた費用を除く。
- 利用者は、診察の際、既往歴、服薬、妊娠の有無その他、施術の可否の判断に必要な事項を、正確に申告する。
診察料・検査料の扱いは、契約書面の費目の明細(規則94条1項の表一)と一致させます。解除による返還の範囲は、法定の上限を超えない形で書きます。
医療広告との関係:料金・体験談・術前術後の写真
美容医療は、広告の面でも規制の対象です。医療法6条の5は、何人も、医業・歯科医業または病院・診療所に関して、虚偽の広告をしてはならないとし(1項)、比較優良広告、誇大な広告、公序良俗に反する広告を禁じています(2項)。広告できる事項は法律が限定しており(3項)、それ以外の広告は、省令の要件を満たす場合に限って認められます(次の段落)。また、広告の内容・方法の基準として、省令(医療法施行規則1条の9)は、患者等の主観または伝聞に基づく治療等の内容・効果に関する体験談の広告と、治療等の内容・効果について患者等を誤認させるおそれがある治療等の前または後の写真等の広告を、禁止しています(法6条の5第2項4号)。
自由診療については、広告できる事項の限定を外す「限定解除」の要件があります(同規則1条の9の2)。患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等であること、問い合わせ先を明示すること、自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容・費用等と、主なリスク・副作用等に関する事項について情報を提供することが、全て必要です。前述の通知も、広告可能事項となっていない自由診療の美容医療の内容を広告した場合や、詳細な情報提供がない術前術後の写真のみの広告を、違反の例として挙げています。広告の一般的な整理は医療広告ガイドラインと契約書で紹介しています。医療広告ガイドラインやウェブサイト等の事例解説書は改訂されるため、実際の確認には、厚生労働省のホームページに掲載されている最新版を使います。
契約書面との関係では、広告で示した料金・回数・期間・施術の内容と、概要書面・契約書面の記載が食い違わないことが基本です。特定継続的役務提供に当たるコースの広告で、内容や効果について著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良であると誤認させる表示をすることは、特定商取引法43条が禁じています。勧誘の際に、効果などについて不実のことを告げる行為も禁止されています(法44条1項1号)。「必ず綺麗になる」のような医学的にあり得ない表現は、通知も虚偽広告の例として挙げています。
美容医療のコース契約を作る前の点検
- コースの役務と方法が、規則91条の五つの組み合わせに当たるか。美容目的か。
- 提供を約する期間は1か月を超えるか。対価の総額は5万円を超えるか。
- 概要書面は契約前に、契約書面は契約後遅滞なく、どの方法(書面か、承諾を得た電磁的方法か)で交付するかが決まっているか。
- 施術を行う者の資格に関する約束、契約を担当した者の氏名、関連商品の商品名・数量・販売者が漏れなく書かれているか。
- クーリング・オフと中途解約の記載が、赤枠・赤字で、8ポイント以上の文字になっているか。精算の単価は契約時の単価か。
- ローンを取り扱う場合、どの仕組みか、抗弁の接続の記載があるか。
- 契約の申込みを、医師の診察の後に受ける運用になっているか。カウンセラーの役割は、事務と説明に限られているか。
- 広告の料金・回数・内容が、契約書面と一致しているか。体験談・術前術後の写真の扱いは、規則の範囲か。
起きがちなこと
よくあるご質問
美容医療のコースは、すべて特定継続的役務提供になりますか。
なりません。美容を目的とし、脱毛、にきび・しみ等の除去または皮膚の活性化、しわ・たるみの軽減、脂肪の減少、歯牙の漂白の五つの役務を、特定商取引法施行規則91条が定める方法で行い、さらに、1か月を超える期間にわたって提供することを約し、5万円を超える金銭を支払う契約であることが必要です(施行令24条、別表第四の二の項)。
中途解約のときに請求できる金額の上限は、いくらまでですか。
提供開始前なら2万円までです。提供開始後は、提供済みの役務の対価に、5万円または契約残額の20%のいずれか低い額を加えた額までです。損害賠償額の予定や違約金の定めがあっても、この上限を超えて請求できません(特定商取引法49条2項、施行令30条・31条、別表第四の二の項)。
概要書面と契約書面は、どのタイミングで渡しますか。
概要書面は、契約を締結するまでに交付します(法42条1項)。契約書面は、契約を締結したときに、遅滞なく交付します(同条2項)。相手方の承諾を得れば、電磁的方法による提供も認められます(同条4項、施行令26条)。クーリング・オフの8日は、契約書面を受け取った日から数えます(法48条1項)。
医療ローンを使う利用者が、施術を受けられなくなったとき、ローンの支払はどうなりますか。
個別クレジット(個別信用購入あっせん)や、カードの分割払いを使っている場合は、施術所に対して生じた事由を理由に、信販会社への支払を拒める抗弁の接続の仕組みがあります(割賦販売法35条の3の19、30条の4)。ただし、支払総額が4万円に満たない場合は対象外です。利用者自身が金融機関から借りる貸付けなど、これらの仕組みに当たらないローンでは、法定の抗弁の接続は当然には働きません。
カウンセラーが、治療方法を提案して契約を取ることはできますか。
厚生労働省の通知(令和7年8月15日、医政発0815第21号)は、医師・看護師等の資格のない者が、患者の主訴や希望を聞き取った上で、具体的な治療方法を選択して提案・決定する行為は、医行為に当たり得るとしています。形式的には料金設定の説明という体裁でも同様とされています。契約の書面の運用でも、施術の適否と内容は医師の診察で決め、カウンセラーの役割は事務と説明に限る形にします。
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本ページは一般的な情報提供です。医療機関の開設・介護保険の指定などの許認可の手続、診療報酬の請求、労務の手続は扱っていません。事務所の改訂例・ご相談の事例として紹介している内容は、アトラス行政書士法人が作成・レビューしてきたクリニックのウェブサイトの利用規約・プライバシーポリシー、訪問看護・自費リハビリ・生活支援の利用契約書、医療機関との業務提携契約書、介護事業の譲渡契約書、歯科医院の契約書などを、個別の事業者が特定できない形に整理したものです。条文は e-Gov法令検索で、医療広告の記述は厚生労働省の医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正)で確認しています(最終確認日:2026年10月21日)。参考: e-Gov法令検索 / 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省) / 個人情報保護委員会