クリニック・歯科・訪問看護・介護事業・ヘルスケアサービスの方へ医療と介護の書類は、
制度と患者の目線で作る
クリニックのウェブサイトの利用規約とプライバシーポリシー、医療広告ガイドラインを踏まえた記事制作の契約、健康相談の事業者と医療機関の提携、保険外の訪問看護や自費リハビリの利用契約、デイサービスの事業譲渡、歯科医院の誓約書――医療・介護・ヘルスケアの契約書には、一般の契約書にはない論点が並びます。診療契約とサイトの規約の切り分け、病歴などの要配慮個人情報、応招義務、医療行為との線引き、何人にも及ぶ医療広告の規制、診療の対価と紹介料、介護保険の指定や介護報酬の扱いです。このガイドでは、アトラス行政書士法人がこれまで作成・レビューしてきたクリニック・歯科・訪問看護・介護事業・ヘルスケアサービスの契約書・規約・プライバシーポリシーの実例と、条文の一次確認をもとに、医療機関や介護事業者の方、医療機関と提携するヘルスケアの事業者の方が、書類で押さえておきたいことをテーマごとに詳しく整理しています。
クリニックのサイト規約・PPを整えたい方

サイトの規約と診療契約を切り分け、要配慮個人情報を正しく扱う
クリニックのウェブサイトの利用規約は、診療の中身や責任の範囲を決める書類ではありません。来院時の説明と同意を補う位置に置き、患者との関係では消費者契約法で無効になる免責条項を使わないことが出発点です。
プライバシーポリシーは、フォームの送信前の利用目的の明示、受診による黙示の同意の範囲、委託先と外国の事業者、開設者の表示まで、医療の実情に合わせて書きます。
医療広告と集患の契約を見直したい方

制作者と医療機関の責任を、契約で書き分ける
医療広告の規制は医療機関だけでなく、記事やSNSを制作・掲載する事業者にも及びます。外注の契約では、制作者が明らかな違反を避ける注意義務と、医療機関の最終確認を書き分けます。
成果報酬の契約は、成果を来院と購入で定義し、保険診療の扱いと、成果の確認で動く受診情報の扱いを先に決めます。
健康相談・ヘルスケアのサービスを始める方

「医療行為ではない」を、手順まで含めて規約にする
非医療の健康相談やアプリは、規約に「医療行為ではない」と書くだけでなく、診断や緊急性の判断などの禁止行為を手段まで含めて列挙し、医療を優先すべき場面の中止と返金を定めます。
相談の内容を提携のクリニックに渡すなら、提供先・項目・目的・撤回を書いた同意書と、医療機関との契約をそろえます。
訪問看護・自費サービスを提供する方

制度の外のサービスこそ、契約で決めることが多い
保険外の訪問看護や自費のリハビリ、生活支援は、提供しない行為、訪問看護指示書の手順、判断能力が十分でない利用者との契約、訪問中の急変への対応を、契約が自分で決めなければなりません。
高齢の利用者向けには、分かりやすい版を作りつつ、安全と健康情報に関わる事項を残します。キャンセル料は平均的な損害から考えます。
介護事業の譲渡・施設の契約をする方

指定・介護報酬・利用者・職員・建物を、別々に決める
デイサービスの事業譲渡では、介護保険の指定は移らないため、譲渡日までに指定を取得していることを条件にします。介護報酬の債権の帰属、利用者情報の引継ぎ、職員を引き継がない場合の人員基準も書き分けます。
介護施設用の建物の賃貸借予約では、指定が取れない場合の解除、賃料改定の理由、修繕区分を具体的に決めます。
歯科医院・有資格者の契約を整えたい方

患者との書面、コンサル、スタッフの契約を一つずつ
会計トラブルのあった患者の誓約書は、前提の事実を診療録と突き合わせ、応招義務との関係や他院からの照会への対応を踏まえて、確認したいことを絞って作ります。
歯科衛生士や看護師との業務委託は、資格の範囲と医師・歯科医師の指示、患者の情報、SNSの表現の確認を業務ごとに書き分けます。
このガイドの解説ページ
よくあるご質問
クリニックのサイトの利用規約で、医療事故の責任を免除できますか?
できません。患者との関係には消費者契約法がかかり、損害賠償責任の全部を免除する条項は過失の程度を問わず無効です(8条1項1号・3号)。「故意・重過失がない限り責任を負わない」という書き方も、軽い過失の全部免除として無効になります。診療の責任は、来院時の説明と同意で結ぶ診療契約と法令で決まります。
受診した患者の病歴は、同意なしで取得してよいのですか?
病歴などは要配慮個人情報で、取得には原則として本人の同意が必要です。患者が問診票を書いて受診を申し出ることで、医療機関がその情報を取得することについて本人の同意があったものと考えられていますが、診療と関係のないアンケートで病歴を集める場合などは、明示的に同意を取ります。
クリニックのブログ記事を外注すれば、医療広告の責任は制作会社にありますか?
医療広告の規制は医療機関も制作会社も含めて何人にも及びます。契約では、制作者が明らかな違反を避ける注意義務を負い、医療機関が最終の確認をする、という形で内部の分担を決めるのが現実的です。
デイサービスを事業譲渡すれば、指定もそのまま引き継げますか?
引き継げません。介護保険の指定は事業の譲渡では移らず、譲受人が自ら指定を受ける必要があります。譲渡日までに指定を取得していることを譲渡の条件にし、取得できなかったときの解除や譲渡日の変更を契約で定めます。
健康相談のサービスで、規約に「医療行為ではない」と書けば足りますか?
足りません。診断や緊急性の判断、受診の要否の判断などを、AIやチャットボット、オペレーターを含む手段ごとに禁止し、医学的な判断を求められたときの案内の手順や、医療を優先すべきときの中止と返金を定めておく必要があります。
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運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日